あなたは2008年に連載開始された「COPPELION」をご存じだろうか?
3.11で多少話題に上がったので、名前くらいは知っている人もいるかもしれない。
あらすじ
2016年の大地震と原発事故で東京都民の9割が死んだ世界。その20年後の2036年を舞台に、鉛の防壁で囲まれた死の街・東京で放射能への抗体を持ったコッペリオンと呼ばれる少年少女たちが、それぞれの戦いを異能力を駆使して繰り広げるSFバトル漫画。
マンガペディア
ちなみに2013年にアニメ化もされている。
公式YouTubeアニメ 第1話はこちらから。
単純な作品としても面白いが、原発、政治、人間性とたくさんの学びがある作品だと私は感じている。
この作品から考えさせられる点を、いくつかピックアップしていこう。
原子力発電に関する問題
まずはこの作品のメインテーマである、原発事故である。
3.11から、我々は原子力発電の恐ろしさを学ばされた。
だが、今も尚、原子力発電は稼働し続けている。
作品の中で、主人公の成瀬荊が原発事故後の東京の、ある現実を目の当たりにし、涙ながらにこんなことを言うシーンがある。
「そこまでして電気が欲しいんか!」
「20年前(作品内での原発事故)になにがあったんかもう忘れたのか!」
私はこの言葉にハッとさせられた。
毎日当たり前のように使用している電気だが、原子力発電という時限爆弾のようなものを今後も抱え続け、
後世にとんでもない規模の“負の遺産”を残し続けながら、使用し続けるでべきものなのだろうか?
本当に別の道は無いのだろうか?
私はそうは思わない。
具体的な方法については「日本誠真会」という政党のこちらの動画で話されていたので、是非ともご覧いただきたい。
政治に関する描写
COPPELIONはただのSFバトル漫画ではない。
確かにバトルの描写も多く、面白いのだが、それ以外にも注目すべき点がある。
それが「政治と経済」である。
COPPELIONから学ぶ政治
東京の現地で救助活動を行うコッペリオンたちは「軍隊」として、現地に出向いている。
その軍隊に対する命令を行えるのは、内閣総理大臣。
作品の中の内閣総理大臣も、とてつもないポンコツなのだ。
そして、国民の命よりも自分の支持率を優先するような人間なのである。
もうお氣づきの方もいるかもしれない。
どことは言わないが、まさに今の日本国と同じような状況なのである。
そして、いわゆる内閣総理大臣を裏で動かす「お偉いさん」なんかも出てくる。
是非、全政治家に観て欲しい作品である。
自分たちがやっていることの罪深さを知っていただきたい。
(まぁ、そんなんじゃ今の政治は変わらないだろうが)
COPPELIONから学ぶ経済
「今だけ・金だけ・自分だけ」と考える人間は、どんな状況においても存在する。
それがこの作品からも読み解ける。
放射性廃棄物を使った非人道的なビジネスを行ったり、最先端の技術を独占し、自分の国だけ儲けようとしたり。
それがどれほど愚かで、人類滅亡に向かう考え方か、という視点でも作品を観ることが出来る。
資本主義社会の成れの果てを目の当たりにしているような。気分になるであろう。
アニメより漫画をオススメする理由
私はアニメも漫画も全て観た。
そこで、どちらがオススメかという話だが、圧倒的に「漫画」である。
「アニメでは完結していないから」というのが、最たる理由である。
上記で述べた政治や経済の話もアニメでも多少は出てくるのだが、深いところまで見るとなるとやはりアニメだけでは…と言った具合である。
とはいえ、アニメも十分面白いので、アニメから見て漫画を購入するというのも一つの手だと思う。
第1話に関しては公式YouTubeで特別公開されているので、無料で見られるので、是非とも見ていただきたい。
公式YouTubeアニメ 第1話はこちらから。
ちなみに全話見る場合はU-NEXT、dアニメストア、DMM TV、Rakuten TV、から見られます。
残念ながらネトフリにはない模様。
(私もネトフリユーザーなので公開される日を待ち続けています)
一番良いのは完結までアニメを放送、もしくはリメイクして一から完結まで放送してくれること。
まぁ、言うは易く行うは難し。
kindleでも漫画が配信されているみたいなので、興味のある方はぜひこちらからご覧ください。
運営者コメント
私がCOPPELIONを知ったのは、アニメ放送当時のこと。
まだ中学生で、当時で言うところの、いわゆる深夜アニメを見たことが無かった。
そんな時、初めて観た深夜アニメがCOPPELIONだったのだ。
当時は純粋に、作品の「面白さ」に夢中で、見入っていたのを覚えている。
その後はお蔭様で、本当にいろんなアニメ作品を観てきた。
(そんな中でもCOPPELIONが最も好きな作品である)
時が経ち、21歳くらいの頃だろうか、YouTubeにCOPPELIONの公式アニメ(1話)を見つける。
懐かしむのと同時に「漫画を全巻読みたい」と思ったのも、この時が初めてであった。
(私はアニメ派なので、漫画を自分で買って読むことは無かった)
その後、漫画を全巻読み、何とも言えない満足感を味わった。
そして、今の日本社会の酷さを知ってから、もう一度読み直した。
“まさに”と言った感じで、「今だけ・金だけ・自分だけ」を分かりやすく、漫画で表現されていた。
故に、今回の記事を書こうと思った次第である。
物語の面白さはもちろん、非常に我々の未来について考えさせられる作品になっている。
是非とも一度読んでみて欲しい作品である。
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